「戦争の法」が伽鹿舎から復刊されます

2016年1月に、自前の電子書籍レーベル tamanoir press を立ち上げてから、そろそろ2年が経とうとしています。

その時に方針として挙げたのは、電子書籍から紙の本を起こすことは、私家版・商業出版ともに、積極的に歓迎したい、ということでした。この方針は今も変っておりません。

当レーベルの電子書籍は、奥付に書いてある通り、10部程度までの私的複製は可、それを超える部数を紙媒体で出す場合には一言お断り下さい、ということにしております。私家版の場合は、部数にもよりますが、一冊いただく、くらいで考えております。商業的かつ独占的に出したい、という場合には、部数を伺った上で複製権を期間限定で売る、ということになると思います。

結果として、同じ作品が様々な版元から様々な体裁で出回ることになると思いますが、むしろそれは歓迎すべきことだと考えております。

この方針で始めて、真っ先に名乗りを上げて下さったのは、熊本の伽鹿舎さんでした。非営利で高橋啓訳のパスカル・キニャール「世界の全ての朝は」、フランソワ・ルロール「幸福はどこにある──Le Voyage d’ Hector」、國分俊宏訳坂口恭平挿画の「アフリカの印象」等を出しているところです。伽鹿舎QUINOAZ版として12月23日に「戦争の法」が出ることになりました。今回は自分で解説も書いております。

現物はまだ手にしておりませんが、上記3冊と揃いの、個性的な体裁の本になると期待しております。伽鹿舎の方針で当面、書店に並ぶのは九州限定となりますが、他地域でも入手は可能です。詳しくは伽鹿舎のHPをご覧下さい。

伽鹿舎さんの出版を応援したい、という方は、こちらの頁をご覧下さい。

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「スウィングしなけりゃ意味がない」写真資料

後書きで触れているのはこの写真だろうと書いておられた方がいたので、写真を何枚かご紹介。

from “Swingjugend: The Real Swing Kids”

まずこれ。後書きにあるのはこの写真。五十過ぎて見るとちょっと頭痛い。

from “Swingjugend: The Real Swing Kids” in “Swingover”

着てるものは矢鱈重々しいけど、態度とか表情とか見ると確かに高校生。

ちなみに皆さん矢鱈コート着るのは、平均気温が相当に低い地域だからです。アルスター湖は今でも冬は凍結しますが、特に1944-45の冬は記録的な厳冬だったと言われています。

巻いた傘がイギリスかぶれのトレードマークですが、実用品でもあったと言われています──ロンドンより年間平均降雨日数は多いんで。

from “Swing Kids/Nazi Germany” in “Mr. Moore’s WH – Semester II”

何と言うか、十代っていつでもどこでもあんまり様子が変らない。
夕方とか電車の中によくいるよね、こういう感じでつるんでる、ちょっとテンション上った連中。

派手なストールというのもお約束だったらしい。

from “Die Swing-Jugend” in “The 20-2-40-Style-Syndicate”

カリカチュア。まあ、こういう感じに見えるでしょう、大人からすると。喫煙は誰も注意しません。当時は子供でも吸ってます。でも生意気です。

ちなみに肩パットは男女ともに必須。女子の証言では、ばん、と張った肩は「圧倒的男殺し」であったらしい。

実はこのスタイル、1980年代のファッションに非常に近いです。好まれた布地がちょっと違う。1980年代はソフトなファブリックが好まれたので。

ゲシュタポの調書やカリカチュアでは、派手なチェックが定番のように書かれていますが、写真ではあまり見掛けません。謎です。

from “Die Swing-Jugend” in “The 20-2-40-Style-Syndicate”

ダンス。なんか可愛い。

カフェ・ハインツェ。現在も同名のカフェは存在する。

from “Swingjugend: The Real Swing Kids”
from “THE TAILOR & CUTTER – POLITICIANS”

アンソニー・イーデン。こういう風にやりたかったらしい。チャーチルでは勿論なく。

まあ、見栄えのする男だからねえ、イーデンは。

from “The Duke of Windsor – Former King of England, Style Icon”

何故かアスパラを持つウィンザー公。これもお手本。スウェードの靴を履いた最初の男、と言われている。

from “August 1941: Nazis gehen gegen Swing-Jugend vor”

女子入れて集合写真。

現実の頭身がこのくらいだとすると、イーデンやウィンザー公って見果てぬ夢だよね。

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from “Swingjugend: The Real Swing Kids” in “Swingover”

女子だけと言う写真があまりないので、彼女らの服装は集合写真で確認するしかありません。割合とソフトな素材でドレープ多め、スカート短め。緑のストッキングの膝に青いハート型をアップリケした、と言ってる人もいます。往来でしかめ面するおっさんを見ると、わざわざスカートを膝上まで捲って見せたそうです。調子こいてるよねえ。

男子も、見えませんが、実は派手な靴下を履いてます。ストライプ、ドットなんでもござれ。たまに胡坐かいた写真とかにちらっと写ってます。結構でかいドットとか。どこで買ってたのかは謎。

あと、注目すべきはパンツスーツ。これもお洒落だったらしいけど、1980年代に生きていた身としては、なんか覚えがあって辛い。大体こういうシルエットになっちゃうんだよ、当初の意図と違って。

from “Die Swing-Jugend” in “The 20-2-40-Style-Syndicate”

こういうシルエットには絶対ならない。無理無理。

付録。BDM。

from “Youth Organisation” NationStates

何故かメディア掲載の写真はノーブラが多いけど、実際にはブラはします。してると思います。邪魔だもんねえ。

from “Le rôle de la femme allemande selon les Nationaux-Socialistes” LES FEMMES ALLEMANDES ET LE NAZISME

ね? ブルマだってあそこまでは短くない。むしろがぼがぼ。

1950年代に陸上競技やっていた日本の女性の証言だと、こういうブルマを上の写真みたいに見せるために裾巻き込んだり改造したり、ともかく涙ぐましい努力をしたらしい。

それにしても匂い立つむさくるしさだ。